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抗がん剤(1)

私の入院した病室は二人部屋で同室は腎臓がんで一つの腎臓を摘出されて数日の若い人でした、手術は痛いかと聞きましたら「痛いというより苦しいんですよ」

との事でしたが成程仰せの通り、手術後の二三日は相当に苦しかったのですがそれも次第に落ち着きました。

入院から約一月そろそろ退院となったころ主治医が「明日から新しい抗がん剤を試しに入れてみましょう、若し副作用が出ても病院にいるのだから大丈夫ですよ」

と気楽に「新薬治験テスト」らしい話を持ちかけて来ました。

そのころ丁度「近藤誠医師著・患者よガンと戦うな」が評判で私も読んでいましたから抗がん剤にはアレルギーがありましたので治験はお断り即刻退院します

と云って退院してしまいました。

退院してから、私を日赤に紹介入院させて呉れた、日赤の元外科部長の診療所に行きましたら

先生「当分の間は抗がん剤を飲みなさい」

私 「何故ですか」

先生「以前貴方と同じ病の人に抗がん剤を七年飲ませて、もういいだろうと抗がん剤を止めたらすぐに肝臓がんになったんだから飲んだ方が良いんです」

私 「????・・・・????七年飲んでも無駄の証明みたいなハナシですネ・・・???」

それでその先生ともお別れして「抗がん剤」なしでの「人工肛門」生活がこれで始まりました。

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